【恐怖】その計画ではクレーン転倒をするかも・・・クレーンの正しい計画方法

施工計画

こんにちは、ブックマンです。

現場監督のみなさんはクレーン計画をしたことはありますか。

 

だいたいの現場ではクレーンを手配して、現場内に配置、作業して、帰るということの繰り返しです。

しかし、実はその繰り返し作業ができるための計画と環境づくりが大事なのです。

クレーンの吊り荷重計算方法から地盤の選定までどのようになっているか記事にしたいと思います。

 

気になる方は見ていってください

 

この記事はこんな人におすすめ
・クレーンの選定方法が分からない
・クレーンなんてどこでも設置できないの?と思う
・そもそもクレーンについて全然知らない

 

この記事で伝えたいこと
・クレーンの選定ができれば現場監督としてレベルアップ

 

クレーンの種類

まずはクレーンの種類を知りましょう。

・ジブクレーン
・タワークレーン
・門型クレーン
・クローラークレーン
・ラフタークレーン

この5つが主に現場で使うクレーンです。

他にもデリックなどがありますが、私は見たこともないので今回は紹介しません。

 

ではひとつひとつ紹介していきます。

ジブクレーン

 

イラストのようにアームにホイストを取り付け、水平に資材を移動させることが出来ます。

 

 

タワークレーン

タワークレーン (Tower Crane) は、クレーンの一種。建設現場で使用される昇降可能な仮設揚重機です。

 

高層ビルによく使われるクレーンです。自分でクライミング(昇る)ので高さのある建物に適しています。

 

 

門型クレーン

写真のように門型の鋼材にホイストを付けて資材の揚重をします。

移動できる向きや位置、高さが決まっているため工場などいつも同じような作業をするような場所に向いています。

 

 

クローラクレーン

クローラークレーン (Crawler crane) とは履帯(クローラー)と原動機を備えていて、不特定の場所へ自力移動して作業できる移動式クレーンです。

 

クローラークレーンは公道を走れないため、現場内で組み立てて使用するのが基本です。

地盤が安定していない土の上に鉄板などの時に使用する時が多いです。

 

 

ラフタークレーン

ラフテレーンクレーン (rough terrain crane) は、荒れた地形などの不整地を走行することのできるクレーンです。

 

現場監督が手配することが多いのがラフタークレーンです。

移動も容易で非常に使いやすいですが距離が遠くになれば見た目のジブほど重い物は吊れません。

性能をよく理解して使う必要があります。

 

 

クレーンで代表的な5つを紹介しました。

他にもテルハクレーン、カニクレーン、ホイストなど現場で使うものもありますが今回はパスします。

 

では、この中でもよく使うラフタークレーンを元にどのように計画すればよいかを教えます。

 

 

クレーンの選定

クレーンの選定ですが、まずは簡単に考えます。

「吊り荷重量」を「作業半径何Mで吊りたいか」

これだけです。

これで基本的にクレーンの選定は終わりです。

 

例えばですが25tRCの性能表を見てみましょう。

クレーン性能表のサムネイル

見るポイントはまずアウトリガーの張り出し寸法です。

アウトリガーの張り出しが少なければ少ないほど吊れる重量は少なくなります。

基本は最大張り出しを勧めますが、現場の状況によっては中間張り出しになってしまうので性能表の見方に注意しましょう。

 

次に何t吊りたいかです。

例えば10tの荷物を吊りたいと思うとブーム長さが16.4mの作業半径が8mで11.4t吊れることが性能表で分かります。

この時に現場の状況で作業半径8mにクレーンが設置できない場合は、もっと大型のクレーンを用意する必要があると言う事です。

 

ここで実は引っかけというか注意が必要です。

本当に10t吊るのに作業半径8mで良いのか?と言う事です。

カタログ上に11.4t吊れると書いてあるのだから何も問題ないじゃないかと思う方もいますが、それでば現場の安全を守る現場監督としては不十分です。

 

実はカタログには続きがあります。

クレーンフックのサムネイル

この赤い部分を見てください。

クレーン性能表で書かれている吊り可能重量は「定格総荷重」と呼ばれるクレーンのジブ(ブーム)だけだと100%の性能で○○t吊れますよという表です。

ジブとフックは別物で、ジブはすでにフックを吊っているという計算をしなくてはいけません。

ですので、作業半径8mで11.4t-0.22t-0.06tとなり11.02tが実際に100%の性能で吊れる重量となります。

 

なんだ、吊れるじゃないかと思った方は、まだ安心してはいけません。

この数字はあくまで100%の性能です。

 

つまりクレーンに付いているパトランプが赤色でグルングルン回る状態です。

パトランプは定格総荷重の90%以上で黄色、100%以上で赤色が点灯します。

会社や個人の考えにもよりますが、黄色ランプが当たり前のように点灯していてはクレーンの点灯一歩手前です。

出来れば90%以下の緑色で抑えたいところです。

 

では、

・パトランプを緑色にする。
・フックの重量を定格総荷重から引く。

の2点を考えて計画してみましょう。

 

作業半径8mで11.4t吊り可能ですが、まずは90%でどのくらいになるか調べましょう。

11.4t×90%=10.26tとなります。

更に10.26tにフック重量を引くと

10.26t-0.22t-0.06t=9.98tとなります。

 

この結果から25tRCで作業半径8mで10t吊ろうとすると必ず黄色ランプが点灯することが分かります。

ここまでが性能表で分かることであり、現場監督が知識として知っている必要があります。

 

次に現場監督の判断が必要になります。

黄色ランプが付いてても吊れるからいいじゃないかと言う人と危ないから止めておこうと言う人に分かれます。

ちなみに私は止めておこう派です。もし転倒なんかしたら責任なんて取れませんからね。

 

 

クレーンの配置

あそこ」のイラスト

クレーンの選定が済みましたら次は配置計画です。

場内のどこに何を吊りたいから配置位置が決まりますが、地盤が強固でないといけません。

 

アウトリガーの位置の地盤が悪いと転倒の恐れがあるため、地盤改良や鉄板などを強いて地盤を強化することが当たり前です。

もし軟弱な地盤だと下の図のようなことになり転倒するでしょう。

 

 

基本的にクレーンの選定をして地盤を強化します。

逆に地盤がどのくらい耐えられるから、どのクレーンを選ばなくてはいけないという選択をしてしまうと計画が非常に難しくなります。

 

その現場の最大反力を持つクレーンはどれかを把握して、地盤の改良をする必要があります。

もし場外作業で道路などに設置する際は地盤の改良は出来ません。

 

道路は交通量などで舗装方法は決まってますので、ある程度の耐荷重は決まっています。

クレーン反力と地盤の耐荷重を計算できる会社に依頼をしましょう。

又はクレーン業者に聞くというのもひとつの手段です。

 

 

クレーン作業中の注意

応急危険度判定士のイラスト

クレーンの使用時に注意することはたくさんありますが、その中でも特に注意することがあります。

・クレーンのアウトリガーは完全張り出しとする。
・クレーンの旋回帯内は立ち入り禁止とする。
・リミッターキーを使わせない。
・吊り荷の下に人を入れない。

この4つのルールは守りましょう。

守らないと事故になります。

 

理由をひとつひとつ解説していきます。

 

 

・クレーンのアウトリガーは完全張り出しとする。

クレーンのアウトリガーを完全張り出しにする理由は「気持ち悪い」からです。

とても10年以上現場監督をやっている人の発言ではないでしょうが分かる人は分かると思います。

 

当たり前の話ですがクレーンはブームの先で吊り荷を揚重しています。

その際にアウトリガーを完全張り出ししていないと転倒の危険が跳ね上がります。

性能表で中間張り出しの性能も書かれていますが安全性は全然違います。

 

例えば我々人間で考えてみましょう。

直立不動で手を伸ばして10kgの米袋を持ってくださいと言われたらなかなか大変です。

それが足を開いて持ちやすい恰好で持ってくださいと言われれば持てます。

 

機械と人間は同じではありませんが考え方は同じです。

現場が狭いことや資材が置いてあるため、アウトリガーを張り出せないと中間張り出しにしてしまう。

そうなれば転倒の恐れが大きくなりますので、アウトリガーの完全張り出しをする前提で計画をしましょう。

 

 

・クレーンの旋回帯内は立ち入り禁止とする。

クレーンの旋回範囲内は立ち入り禁止です。

理由は挟まれるからです。

 

クレーンなどの機械物に挟まれると重大事故です。

だから旋回範囲内は危険なので立ち入り禁止です。

 

現場でやりがちな状況としては

・狭い現場とかだと資材の置き場がなく、クレーンの旋回範囲内に置いてしまう。
・構台など狭い場所で通路をつぶしてしまい、作業員がクレーンの旋回範囲内を通ってしまう。

このようなことは危険な行為ですのでやめましょう。

クレーンに挟まれたら死にます。

 

 

・リミッターキーを使わせない。

クレーンにはリミッターキーというものが付いています。

リミッターキーがあれば機械による安全装置を一時的に解除することが出来ます。

 

安全装置を解除すれば100%以上の性能を出すことが可能です。

日本の機械は安全率を見ているため120%くらいは実は吊ることが出来るそうです。

 

あと少しで吊れることが出来るからといって、リミッターキーを使って物を吊ってしまおうと考えるのは危険な行為です。

安全装置を外すと言う事はブームが折れるかクレーンが転倒するまで止まることはありません。

 

もし事故が起きればヤフーのトップニュースになるでしょう。

会社の信頼も失墜し、仕事も給料もなくなります。

 

現場によってはリミッターキーを元請で預かってしまう会社もあります。

リミッターキーを使わないといけない状況は基本的に計画が間違っています。

クレーンに関しては余裕を持った計画をしましょう。

 

 

・吊り荷の下に人を入れない。

吊り荷が落下しない可能性は0%ではありません。

吊り荷の下に人は入れないことを徹底しましょう。

 

吊る物がなんであれ地球には重力があります。

必ず下に落ちるように出来ています。

もし吊っている物のワイヤーが切れたら、吊り荷の一部が滑り落ちてきたら、梱包している袋が破れたらと考えれば吊り荷の下には入れません。

 

吊り荷の下に入らないようにするためには3人の注意が必要です。

1人目は吊り荷の下に入りそうになっている人、2人目はクレーンの運転手、3人目は玉掛け合図をする人です。

 

この中でも玉掛け合図をする人は責任重大です。

資材にワイヤーをかけるなんて誰でもできます。

資格は必要ですがぶっちゃけ無資格でもやろうと思えばできます。違反ですけどね。

 

しかし、安全に資材を吊るというのは有資格者にしかできません。

吊り荷へのワイヤーの緊結具合、吊る時の退避、吊り荷下の人払いは玉掛けする人、有資格者の義務です。

 

クレーンは便利な機械ですが危ない機械でもあります。

吊り荷が絶対落下しないなんて絶対ありません。

 

しかし、吊り荷下に人を入れなくすることは絶対できますし、吊り荷の落下で誰かが下敷きになることを止めることは出来ます。

人の命は亡くなれば取り返しが付かなくなります。

現場監督の立場からは吊り荷下に入る人、クレーンの運転手、吊る人に普段からよく指導することが大事です。

 

 

現場監督のまとめ

クレーンの計画は余裕をもってやろう
クレーンは便利な機械だけど使い方を間違うと危険な機械
吊り荷が絶対落下しないなんて絶対ない。吊り荷下の人払いをしよう

 

如何でしたでしょうか。

 

ニュースなどでクレーンの事故を見るたびに地盤が甘いところに設置しているなとかきっとリミッターキーを使って安全装置を解除したんだろうなとか、吊り荷下の人払いをしてなかったんだろうななど思います。

起きてしまってから原因を考えるのは簡単ですが、事故が起きないようにすることが現場監督の仕事です。

事故を起こして良いことなど一つもありませんので、皆さんも気を付けて計画をしましょう。

 

 

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