現場がどうやって進むのか、どうしてこのような形なのか、何を作ろうとしているのか
現場監督の経験が浅い人はそう考えると思います。
建物は図面通りに作ります。
建物をどのように作るのか分からないという方に今回の記事を書きます。
興味がある方は見ていってください。
・現場で「どうしてそうやるのか?」と思ってしまう
・「何を作っているのだろう」と思う
・どのような建物が建つのか分からない
・現場監督は図面通りに建物を建てる仕事です。
【結論】図面を見ながら現場を見ると現場監督の力が上がる

現場を見ても何を作っているかよくわからない
まだ現場をよく分からないうちは思うことです。
皆何を作っているのか、どうしてそういう形になっていくのか
最初は私もそう思いました。
しかし、考えてみれば単純なことで現場監督は「図面」通りに建物を作っているのです。
作業員が何かを一生懸命作っているのには図面が必ずあります。
建物を作る場合は設計図から情報を抜き出した施工図です。
仮設であれば仮設図又は指示書にて作業をしています。
設計図や施工図、仮設図の説明は後でしますね( ..)φメモメモ
ですので現場で何を基に作っているのかと言うと「図面」です。
現場を理解するためには図面を持って現地に行き、図面を見ながら現地がどうなっているのかが分れば良いのです。
【経験談】図面が分からないと指示が出せない

監督さん、ここどうなっているの?

え、えーと、、、
こんな経験は誰にでもあると思います。
そんな急に言われても分からないし、どうやるのかも分からない
分からないから自分なんかに聞かないでくれと思ってました。
その時はまだ図面の存在を軽視していた時です。
図面なんて「何に役に立つんだろう」とまでは言わないですが参考くらいに思ってました。
結局図面に書いていない事が多くて、あまり役に立たないと思ってたのですが実は違います。
その時は図面の存在を知らなくて軽視していただけでした。
図面さえ見ておけば答えられる、指示出来ることを図面を見ずに会話しているから答えられないし、指示が出来ません。
どうせ図面なんて参考だろう、図面なんて無いんでしょと決めつけてました。
しかし、本当に建物は何を基に作っているかを考えてみたところ
図面通りに作っていることが分かりました。
図面があるということは誰かが考えて作図をしているということです。
経験も浅く、知識もない若手現場監督よりよっぽど信用できるものです。
しかも、図面で打ち合わせも指示も出来るので、現場でよく分からないと言ってないで図面を見つけることが正解でした。
とはいえ、建物の隅々まで図面があるかと言えばそうではありません。
忘れてたり、主なところ以外は作図していないことなんて多々あります。
現場監督はどの図面が最低限必要かを見極めて作図を依頼する、又は作図することになります。
図面は非常に重要な書類です。
現場で分からないと言ってないで、まずは図面を探しましょう。
【問題点、解決策】現場は図面で作られていることを知る

現場を理解するためには図面を理解すると言っても良いでしょう。
そのくらい現場における図面は重要なものです。
現場で「何を見て作っているのか」と言われれば「図面を見て作っています」と答えれるようにしましょう。
では現場にはどのような図面があるのかを知りましょう。
- 設計図(意匠図、構造図、設備図)
- 製作図
- 施工図
- 仮設図
この4種類の図面があります。
では一つ一つ説明していきます。
設計図(意匠図、構造図、設備図)
現場を始めるにあたり、必ず設計図というものがあります。
設計図には
意匠図
構造図
設備図
があります。
・意匠図
意匠図は仕上げ物や建物の形状が分かるような図面です。
どのような材質を使ったり、天井内の見えないところの収め方が書いてあったりします。
この意匠図を参考に製作図や施工図を作成します。
建物がどんな形状か、どういう用途なのかを知るためにはまず意匠図を見ましょう。
・構造図
構造図は建物の骨となる構造体に関して記載のある図面です。
具体的には鉄筋、コンクリート、鉄骨です。
型枠や地業なども少しですが記載があります。見落とさないようにしましょう。
構造図を基に施工図(躯体図)を作成します。
構造図で出来ないこともないですが、通り芯が書いてあるが同じページに大きさが書いてなかったりするので施工管理が非常に難しく、整合性が取れるように躯体図を作成するのが一般的です。
構造図を見て、コンクリートの材質や鉄筋、鉄骨の品質を管理しましょう。
・設備図
設備図は建物の内臓と言われるような空調、衛生、電気が書かれている図面です。
意匠図と構造図だけではキレイな箱を作っているだけです。
エアコンが聞かない、トイレが動かない、電気が付かない建物は必要とされません。
建物の機能を生かすために必要な情報が書かれています。
大きな現場になると建築工事担当者と設備工事担当者に分かれますが,お互いに機能しないと良い建物は作れません。
俺は建築だから設備は全く興味ないと言わず、機能や設備の仕事量を把握しましょう。
・製作図
製作図は業者が作る図面です。主に建具など収まりが難しい物に対して作られます。
AWなどの窓回りで水漏れの心配がないかなどのチェックをする必要があります。
異種工事などの取り合いの確認は製作図を見る必要があります。
・施工図
意匠図や構造図、施工図で最悪工事が出来ないことはないですが、整合性が取れていないことが多々あるため、施工図を作ります。
施工図には意匠図、構造図、設備図、製作図など全ての整合性があるため、現場監督としては一番使う図面です。
しかし、設計図からの記載漏れや製作図の遅れなどで一番最新の情報を更新し続けることを管理するのが大変です。
本当は施工図が出来てから工事着手がよいのですが最近はめっきりダメですね。
監督が悪いのか、施工図を描く人が悪いのか、いつまでの決めない設計者が悪いのかは特定できませんが、現場が始まってからも図面を書き直すなんてことがたくさんあります。
現場は施工図を見て作っていますので現場を早く覚えるには施工図と現場が合っているかを確認するとすぐに覚えることができます。
・仮設図
仮設図は現場で仮設がないと出来ないことがあるから仮設図を作ります。
例えば足場です。
足場は手が届かず作業が出来ない、落ちるから危ないのような時に仮設図を作ります。
よく現場で私が言っていることがあります。
仮設は「何のために」作るんだ?ということです。
仮設は最後には無くなるものです。
出来れば作らない方が手間、コスト的には良いですが作る理由があります。
現場で仮設を見たときはこれは「何のために」あるのだろうかと考えましょう。調べましょう。
仮設図を見るのはその後でも良いくらいです。
仮設がある理由を理解してから仮設図を見ると理解が深まります。
現場を理解するうえで図面は絶対必要なものです。
図面を見ないでやれば間違いが多くなります。
それは図面通りではないからです。
図面が間違えているときもありますので、絶対ではないのですが大きな指標にはなります。
まずは図面を見ましょう。
現場監督のまとめ
現場監督が図面を読み込まなくても勝手に業者が来て図面通りにやっていくからいいんでないと思うかもしれませんが、実は業者も現場監督が見てるからそこまで読み込まなくていいやと思っています。
本当は関係者全員が図面を読み込む必要があります。
図面を理解していれば間違えなくてよいことはたくさんあります。
だって図面通りに作るんですから。
日々忙しい現場監督ですが、工事をするにあたり図面は見ておきましょう。
如何でしたでしょうか。
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