
ピット内は暗いだけだから照明さえ持っていけばいいや
この考えは間違っています。
ピット内は暗いだけではなく、危険な場所でもあるのです。
興味がある方はご覧ください。
・ピット内に入るのに何か必要なのか
・ピット内の何が危ないのか知らない
・ピット内作業って何?
・ピット作業に詳しくなって、現場の安全を守りましょう。
【結論】ピット内に入るには酸素濃度が18%以上必要

ピットの中なんていつでも入れるんだろう
ピット内は現場の中でも非常に危険な場所です。
なぜならピット内の酸素が少ない場合があるからです。
空気には酸素と窒素と二酸化炭素があります。
人間には酸素が必要ですが、ピット内には酸素が無い場合があります。
ピット内に入る場合は18%以上の酸素濃度が必要です。
覚えておきましょう。
ではピット内の酸素がなぜ少ないのか
どうすればいいのかを考えてみましょう。
【原因】ピット内の酸素が少ないのはなぜか

なぜピット内の酸素が少なくなるのだろう
それは微生物が呼吸をしているからです。
虫や微生物も呼吸をすれば酸素を吸い、二酸化炭素を吐き出します。
ピット内なので空気の循環はないため、酸素が減ってきます。
このような現象が起きてピット内の酸素濃度が足りなくなります。
酸素濃度の%の目安は以下の画像の通りです。
出典:SEシリーズ「新工事の安全」酸素欠乏 医学博士/山口 裕 著
財団法人 総合安全研究所発行

どこにそんな微生物がいるんだ?
それは型枠や土、水に微生物はいます。
長期間開けていないピットがあったら要注意ですので気を付けましょう。
【問題点、解決策】ピット内に入るための準備

ピットが危険な場所と分かったけどどうすればいいのか
建物にはピットが存在します。
入るためには色々準備が必要ですが、そもそもピットに入るためには「資格」が必要です。
・酸素欠乏危険作業主任者
・酸素欠乏危険作業特別教育
この二つの内どちらかを持っていなければピット内には入れません。
簡単に二つの資格の違いを言うと
酸素欠乏危険作業主任者はピット内に入るために1人は絶対必要な資格、酸素濃度を測る資格がある。
酸素欠乏危険作業特別教育は作業主任者の元、ピット内に入ることが出来る。
明確な違いはこれです。
作業する以前の問題で資格を持ってない作業員をピット内に入れるようなことは出来ませんので気を付けましょう。
←知識が無いとこうなる
では、これからは資格を持っている前提でお話します。
ピット内に入るための準備は以下のようなことが必要です。
1、作業主任者の選任
2、作業員の特別教育資格
3、作業環境測定
4、測定器具の備付
5、換気(酸素濃度18%)
6、保護具等の点検
7、人員の点検
8、連絡体制
9、監視人等の配置
10、退避方法の確認
11、避難用具の備付
12、医師の診断、措置
13、保護具の使用等
14、安全帯の使用等
15、立ち入り禁止措置
16、救出時の空気呼吸器等の使用
が必要です。
入る前にこれだけの準備が必要ですので、簡単には入れないことが分かるでしょう。
全部真面目にやるのは大変ですが、もし何か事故が起きた時にやることをやっていないと罰を食らうのは事業者である現場監督です。
真面目にやりましょう。
【実働】ピット内に入るための具体的な作業
では準備が出来たら実際にピット内に入ることになります。
具体的な作業手順をお話ししましょう。
1、作業区画をする。
2、入り口部を開け、酸素濃度を測定する。
3、酸素濃度に関わらず換気を行う。
4、人員の点検、作業の確認を行う。
5、ピット内作業をする。
6、作業終了後の跡片付け
と、この順番で通常は行います。
一つ一つ説明します。
1、作業区画をする。
ピット内作業をするに当たり、まずやることは作業区画です。
ピットを開けるということは、関係者以外立入禁止にしなくてはいけません。
もし、手順を変えれば関係者ではない人がピット内に入る可能性があります。
工事現場内ならまだしも、一般の道路や歩道ではありえません。
ちょっとだけだからと言わず、まずは区画をしましょう。
また、状況により警備が必要ですので計画しましょう。
2、入り口部を開け、酸素濃度を測定する。
現場の状況にもよりますが、入り口部を開けてから酸素濃度を測定するのか、酸素濃度を測定してから入り口部を開けるのかを決めなくてはいけません。
理想は酸素濃度を測定してから開けるのですが、酸素濃度を測る穴なんてものはなかなか存在しないので、現実は入り口を開けてから測定になるでしょう。
もし、酸素濃度が先に測れるなら測りましょう。
ちなみにピット内の測定は「都度」となっています。
一度休憩に入ったりしたら再度測定する必要がありますので注意してください。
3、酸素濃度に関わらず換気を行う。
酸素濃度が18%以上だとしても換気は行いましょう。
ピット内は湿気やガスが滞留している場合があります。
少しでも環境を良くし、危険性を減らさなくてはいけません。
換気は自然換気ではダメです。
送風機を使い、機械換気を行いましょう。
4、人員、作業の確認を行う。
実際にピット内に入る前に作業員の健康状態と何をするか、何が危険かを確認しなくてはいけません。実際にピット内に入ってからあたふたしてはいけません。
湿気がすごかったり、熱かったり、臭かったりするんですから出来るだけピット内にはいない方がいいのです。
5、ピット内作業をする。
ピット内作業をしましょう。
作業員だから安全ではありません。
作業員でも劣悪な環境は嫌なものです。
しかし、嫌だと言ってもやらなくてはいけないので環境を良くして作業に取り組みましょう。
酸素!照度!換気!!
この3点を確保して仕事をさせましょう。
6、作業終了後の跡片付け
作業終了したら片づけましょう。ピットの入り口を開けたままではいけません。
明日も入るなら同じ準備をしますので、今日やったから短縮できるものではないです。
また、測定結果は3年間保存の義務がありますので測
定結果を記入した用紙、ホワイトボードの場合は写真にて記録を取っておきましょう。
何もなければ何も言われませんが、事故が起きれば普段はどのようにやっていたんだと責められます。
面倒ですけど保管しておきましょう。
ピット内に入って作業すると簡単かもと考えてはいけません。
ピットは現場で危ない場所と認識して作業を行いましょう。
現場監督のまとめ
ピットには目に見えない危険が潜んでいます。
もし酸素が無く、入ってしまえば文字通り一撃必殺です。
知らなかったでは済まされません。
だって我々は現場の安全を守る現場監督ですから
今日も一日ご安全に
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