
現場に雨が降れば水が溜まる
当たり前ですけど、当たり前のようには対応出来てないと思います。
雨で慌てて水中ポンプを設置する前に、きちんと水中ポンプに詳しくなりましょう。
・雨が降るといつも慌てて水中ポンプを設置する
・水中ポンプの性能が分からない
・どこに設置するのが効果的なのか分からない
・水中ポンプの性能や設置位置に詳しくなって、万全な雨対策をしましょう。
【結論】水中ポンプはオート式で水下に設置しましょう。

水中ポンプはどうすれば・・・
そんなに悩む必要はありません。
「オート式」と「水下」に設置すればよいのです。
簡単に図にしてみました。
物事は簡単に考えた方が楽な時がたくさんあります。
しかし現場は簡単ではありません。
水中ポンプを設置するのにも準備や知識が必要です。
説明しましょう。
【現場の水対策】水中ポンプの種類を知ろう
水中ポンプにもたくさんの種類があります。
サンドポンプ、高揚程、ハイスピンポンプ、スイートポンプ、100V、200V、オート式とこのように色々言葉が出てきます。
まずは種類を知りましょう。
水中ポンプの種類は以下のようになります。
普通揚程水中ポンプ
高揚程水中ポンプ
低水位排水用ポンプ(ハイスピンポンプ)
残水給排水用ポンプ(スイートポンプ)
サンドポンプ
とこのようになります。
では、一つ一つ説明します。
【水中ポンプの種類①】普通揚程水中ポンプ
普通揚程水中ポンプですが、まあ普通の水中ポンプです。
揚程も電圧によりますが10M以下の場合も多く、水位も床から5cmくらい残ります。
釜場などに設置するのが良いです。
他にもっと使いやすいのがありますので、余り使わないかもしれませんね。
【水中ポンプの種類②】高揚程水中ポンプ
高揚程水中ポンプはポンプから排水先までの高さが高い時に使います。
目安は10M以上の時ですね。
きちんとカタログを見れば、どの種類を選ぶべきか分かります。
地下2階、地下3階から1階まで一気に上げるような時に使います。
【水中ポンプの種類③】低水位排水用ポンプ(ハイスピンポンプ)
現場でよく使うのがこのハイスピンポンプです。
水も床のレベルまで吸えますので使いやすい
躯体工事になってきたらよく使う水中ポンプです。
【水中ポンプの種類④】残水給排水用ポンプ(スイートポンプ)
ハイスピンポンプと同じ頻度くらい使うのが、このスイートポンプです。
電源から少し離れてもポンプのホースが届きますし、吸い込み位置を少し変えるのも楽です。
ちょっと差し水を入れないと動かない時があるのがめんどうですが、それでもよく使います。
現場ではスイートポンプと呼ばず「象さんポンプ」とか言いますね。
【水中ポンプの種類⑤】サンドポンプ
サンドポンプは床面から浮いているポンプの事です。
これは汚泥や土を吸い込み過ぎないように少し浮かしているのです。
土工事などでよく使いますが、このまま設置してもよくポンプが詰まります。
中のポンプが土を吸い込むほど強くはないのです。
それでも、普通のポンプを使うより土工事には適しています。
この5種類がポンプの「種類」になります。
この他の性能としてオート式なのか、100Vなのか200V、何インチなのかの判断になります。
水中ポンプにはこのような違いがあります。
※1インチ=25mm
一覧表にするとこうなります。
覚えておきましょう。
【現場の水対策】水中ポンプを設置するまでの3つの準備

水中ポンプの準備って何か必要か?
現場の水たまりに水中ポンプをただ設置すれば良いわけではありません。
良い時もありますけどね。
きちんと計画して準備することで、雨が降るたびに慌てて水中ポンプを設置することは無くなります。
計画する内容は以下のようなことを計画しましょう。
排水先はどこか
水を限定的に隔離できるか
揚程はどのくらいか
この3つを考えましょう。
【排水計画①】排水先はどこか
雨が降って現場に水溜りが出来たとして、水中ポンプでどこにでも水を捨ててはいけません。
そんなことをすると、どこかの穴や繋がっていないドレーンなどに水を捨てて、排水先がやばいことになっています。
その場の水をどうにかしたいと思うでしょうが、同じくらい捨てた水がどこに行くのかを考えなくてはいけません。
皆さんの現場の1階にはおそらくノッチタンクがあるでしょう。
ノッチタンクは下水道に繋げていますので、どうにかしてノッチタンクまで捨てる方法を考えましょう。
間違ってもその辺にてきとうに水を捨てると大変なことになります。
排水先を確認しましょう。
【排水計画②】水を限定的に隔離できるか
現場の排水計画では「水を限定的に隔離できるか」が重要になってきます。
まだ土工事で現場全体に雨が降る場合は仕方ないですが、建物が出来てきても全フロア、全エリアに雨が入ってはダメです。
雨が入る場所を限定的に隔離しましょう。
特にシャフトや仮設開口は雨水侵入経路になります。
雨が入らないように出来るのか(屋根作成)
雨がどうしても入るなら広がらないように出来るのか(土手作成)
のような対応が出来れば、水中ポンプを設置するのも簡単になります。
【排水計画③】揚程はどのくらいか
水中ポンプの選定で重要なのが揚程です。
水中ポンプは水平には長い距離を排水しますが、垂直(高さ)はなかなか上がりません。
揚程は水中ポンプの種類、電圧により全然違います。
こればかりは使うリース会社のカタログを見て判断してください。
カタログで見る場所は「揚程」です。
現場により100Vしか用意できなく、揚程が足りない場合は中間地点を設けて経由する必要があります。
地下からの排水の場合は、揚程距離(排水先までの高さ)がいくつなのかを把握しましょう。
現場で水中ポンプの設置までのフロー
現場で水中ポンプを設置するのには計画が必要です。
訳も分からず、設置しても効果的にはなりません。
以下のように計画をしましょう。
1、水がどこに溜まるのか、溜まりそうなのかを把握する
2、水を限定的に隔離することが出来るのかを検討する
3、水の排水先までの距離、高さ、ルートを計画する
4、水中ポンプを設置する
5、運用状況を確認する。
とこの順番を守るようにすれば、設置する手間はかかっても盛り変える手間は劇的に減ります。
現場監督は何でも計画です。
現場監督のまとめ
現場の水、主に雨ですが天気ですので嫌でも降ります。
嫌だな、水替え面倒だなと感じていればいるほどよく計画をして楽をしましょう。
今日も一日ご安全に
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