高所での作業があるけど、どの高所作業車を選んだらよいか分からないという場面があると思います。
考えることはたくさんありますが一つ一つ解決していけばそんなに難しくありません。
このブログを読めばもう迷うことは無くなるでしょう。
興味がある方は見ていってください。
・高所作業車の選定基準がよく分からない
・高所での作業方法がよく分からない
・まあ、なんていうか、どうすればよいか分からない
・高所作業車の選定は順序を守って決めていけばOKです。
【結論】高所作業車があれば何でも高所作業が出来るわけではない
高所作業があるから高所作業車を使うというのは当然ですが安易でもあります。
高所作業車があれば高所での作業が何でも出来るわけではありません。
作業に適した高所作業車を選定する必要があります。
「作業に適した」と言いましたが結局何なんだという疑問が出てきます。
それは以下のようなことです。
- 本当に高所作業車を使う必要があるのか?
- 大きな力(特に水平力)がかかる作業がないか?
- カタログを用意しよう
- 作業箇所から2M以内まで高所作業車が近づけるか
- 作業箇所まで高所作業車が移動出来るのか
- 使える高所作業車のリース料を知ろう
- 何を使うかを施工業者に確認する
- 手配する(返却する予定も考える)
- 施工する
数が多いの手順ですが、この順序を守らないと良い施工管理にはなりません。
この順序が当たり前だと思うくらい意識して計画をしましょう。
では一つ一つ説明していきます。
1、本当に高所作業車を使う必要があるのか?
高所での作業がある=高所作業車を使うではありません。
近くの仮設足場から届くのではないか?
立ち馬や簡易的な足場で出来るのではないか?
工法を変えれば高所に行く必要がないのではないか?
これらのことが考えられます。
この後の高所作業車を使うまでの手順を考えると高所作業車を使わない方が簡単なのでは?と思うことも大事です。
高所作業車を使うより楽で簡単な方法はないかを一度考えてみましょう。
2、大きな力(特に水平力)がかかる作業がないか?
高所作業と一言で言いますがいくつも種類があります。
仮設足場を組んでいるのか
左官補修をしているのか
電線を配線しているのか
何かを壊しているのか
これらのことが考えられますが、よく考えなくてはいけないのが「転倒」についてです。
高所になればなるほど転倒の危険性は上がります。
高所に上がった状態で横向きに力を入れると反動で高所作業車が転倒する恐れが出てきます。
作業が安全なのかを判断するのも現場監督の仕事ですので、何でもかんでも高所作業車で良いと思わないようにしましょう。
3、カタログを用意しよう
高所作業車を使わないと出来ない、又は効率が良いと判断した場合ですが、どんな高所作業車が必要か調べましょう。
高所作業車と言っても種類がたくさんあるため、何があるのかを知っていないと適切な作業足場にはなりません。
現場で何かしらのリース会社を使っていると思いますので、取り扱っている高所作業車をインターネットで調べたりカタログを取り寄せたりしましょう。
4、作業箇所から2M以内まで高所作業車が近づけるか
高所作業車には作業員が乗って作業をします。
人の手が届かないと仕事になりません。
人の手で作業できる範囲(高さ)なんていいとこ2mまでです。
そこまで近づけないと高所作業車の手すりに乗ったり、どこかに飛び移ったりします。
作業箇所まで手が届く範囲まで届く高所作業車を選定しましょう。
5、作業箇所まで高所作業車が移動出来るのか
どの高所作業車を使うか候補が分かったところで大きな問題があります。
それは作業箇所まで高所作業車が移動出来るのか?という問題です。
1階なら良いですが階数が違ったり、狭所だったりすると高所作業車が行けるか検討しなくてはいけません。
せっかく高所作業車を使うことで作業が出来ると判断しても,高所作業車が作業箇所まで行けなければ意味がありません。
高所作業車は鉄の塊です。
軽い物でも600kgは越えますので人力で運べるようなものではありません。
作業箇所まで移動出来なければ、残念ですが高所作業車を使うことはあきらめましょう。
ここまでの1~5までの手順を全てクリアしなくては「高所作業車作業」ということにはなりませんので一つ一つ検討しましょう。
6、使える高所作業車のリース料を知ろう
高所作業車を使うことはタダではありません。
リース料や基本料、借用・返送の運賃がかかります。
1台レンタルするにしても運送費を含めると、安く考えても6~7万円以上は最低かかるでしょう。
在庫数や希少度によってリース料は変わります。
作業が出来れば何でもいいやと思ってテキトーにリースした高所作業車が高いなんてことはよくあることです。
同じ用途で使うなら安い方が良いのでリース料はちゃんと調べましょう。
注意として在庫数を気にする必要があります。
カタログに載っているけど、今は在庫がないとか持ってないとか言い出すリース会社もいます。
リース料金と合わせて確認するようにしましょう。
7、何を使うかを施工業者に確認する
高所作業車を使うときに必ず施工業者に何を使うかを確認しておきましょう。
それって一番最初に確認することじゃないの?と思うかもしれませんが、先に1~6に手順をやっておけば、すぐに何を使うかが決まります。
「この中から選んでくれと言う」方法や「この高所作業車でよいか」と確認するだけでいいのですから
もし、1~6の手順を無視して最初に何の高所作業車を使うか聞いていたらどうなるでしょうか
1、高所作業車を使わなくても出来るんじゃないの?
2、高所作業車じゃ危ないんじゃないの?
3、どんな高所作業車がある分からないんじゃないの?
4、作業場所まで届くか分かってないんじゃないの?
5、作業箇所まで持っていけるか分からないんじゃないの?
6、それってお値段が高いんじゃないの?
この問題を解決する必要があります。
これらの問題を解決しないまま高所作業車を用意すると作業が出来ない可能性が高いです。
言い訳としては「業者に言われた通りに手配しました」しかありません。
しかし、じゃあ高所作業車の手間賃とリース費用を業者に請求できるかといえばできません。
なぜなら作業が出来るようにすることが「現場監督の仕事」だからです。
現場監督の職務を業者に丸投げしてうまくいくはずがありません。
業者に聞く前に色々やることがありますので、きちんと仕事をしましょう。
8、手配する(返却する予定も考える)
ここまでくれば後は手配をするだけです。
いつ、どこで、誰が使う、どの高所作業車を
これらを決めて手配をしましょう。
手配するときに合わせて返却する予定も考えましょう。
そのまま置いておいた方が良いのか、当分使う予定がないから返却した方が良いのかを判断しなくてはいけません。
判断する基準はまた使うのか、置場があるのか、また借りるときの費用が運賃を超えないかなどを検討して残置するかを決めましょう。
9、施工する
最後は施工になります。
現場は計画通りになればよいですがならないこともたくさんあります。
計画していた使い方ではないとなると何が悪かったのか、何を想定していなかったのかと反省する必要があります。
とりあえず安全に作業が出来れば合格点とし、次はもっとこうすればよかったと反省することで次はもっと良い計画になります。
今が「完璧」とか「ダメだった」とかはどうでもよいので、より良い現場管理が出来るように日々頑張りましょう。
現場監督のまとめ
高所作業車は便利なものですが、きちんと検討しなければ金を使い危ないものになります。
皆さんの現場では事故やケガをしないように気をつけましょう。
如何でしたでしょうか。
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