掘削工事中に地下の外壁から出水しないためにDWを設置する

【土工事】
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地下掘削工事をしているんだけど、外壁から出水が怖いな。どうしたら出水をしないようにできるんだろうか。もし出水したらどうすればいいんだろう。

今回は 掘削工事中に地下の外壁から出水しないようDW(ディープウェル)を設置する についてお話します。

どうぞよろしくお願いします。

 

この記事はこんな人におすすめ
・地下工事をしている
・現場にDW(ディープウェル)を設置しているが何の役割なのかよくわからない
・地下外壁からの出水が怖い
おはようございます。ブログ作成者のマサです。
東京のスーパーゼネコン勤務で現場監督を20年やっています。
国家資格の「建築一級施工管理技士」を取得済み
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【悩み】掘削工事中の地下外壁からの出水が怖い

中規模以上の建築では地下を作るのが当たり前ですが、工事中に外壁から出水することがあります。

外壁といってもコンクリート躯体の外壁ではなく、SMWなどの仮設の外壁のことです。コンクリート躯体からの出水は錆や爆裂などの別の問題ですので今回は割愛いたします。

 

地下を掘削するに当たり、怖いのが外壁からの出水です。一度水が出てしまえば水を止めることは容易ではなく、壁から滝のように水が流れ出る場合もあります。最悪の場合は外壁が決壊します。

建物外周部にSMWを施工したとしても、完璧に水を止められるわけでもなく大小はあれど出水はします。そんな時に約に立つのがDW(ディープウェル)です。

DW(ディープウェル)って何?という方にDWの物と役割、設置方法や設置する時に気を付けることを説明します。

 

 

【結論】地下水位を下げるためにDW、RWの仕組みについて知る

この先を読むことで得られる知識
DW、RWの仕組みを知る

まず初めにDW(ディープウェル)とは何なのかを説明します。

DWとは、、、掘削構内あるいは掘削溝外にディープウエル(深井戸)を設置し、ウエル内に流入する地下水を水中ポンプで排水することにより周辺地盤の地下水位を低下させる工法で、浸透性の高い砂質土地盤で効果的です。

写真、図にすると以下のような感じです。

DWは500φ程度の鉄管を地中に埋め込み、鉄管の中に水中ポンプを入れて水を吸い上げる工法です。

図を見ると分かりますが、土の中の水を現場外に排水しています。

このようにDWは現場内、付近の水位を下げることを目的として設置します。

もしDWを設置せずに工事を進めると地下水位に到達した時点で土を掘れば水が出てきてしまい、工事にはなりません。掘削工事を始める前に「ボーリング調査」を行うので、その際に水位の確認をして掘削レベルと水位の関係性を調べておきましょう。

 

またRW(リチャージウェル)というものも存在します。

RWとは・・・地下部分から汲み上げた水を再度地下 に戻す排水処理 工法である。 復水工法ともいい、リチャージウェルを用いて地盤中に水を強制的に注入し、ディープウェル(深井戸)によって低下した根切周辺の地下水位を回復させて地盤沈下を防ぐ工法。 周辺の井戸枯れや地盤沈下防止等を目的に採用される。

写真は先ほどの物と一緒ですが、図にすると一部違います。

RWは500φ程度の鉄管を建物外(※現場外ではない)の地中に埋め込み、鉄管の中にDWで吸い上げた水を排水する工法です。

図を見ると分かりますが、土の中の水をRWに排水しています。

このようにDWで吸い上げた水をRWに排水することで、建物外の水位を下げずに施工ができ、周辺の地盤沈下などの影響を少なくすることが出来ます。

 

DW、RWの役割が分かったところで、設置するに当たり注意事項があります。

 

 

DW(ディープウェル)RW(リチャージウェル)設置に関する手順と注意事項

DW、RWの設置にはいくつか注意点があります。

作業手順に沿って注意点も説明します。

 

DW、RW設置の作業手順
1、どこに設置するか計画する
2、掘削前に設置する
3、掘削~地下躯体構築までは使用する
4、最後は蓋をする

となります。

 

DW、RW設置の作業手順と注意点

1、どこに設置するか計画する

DWを設置するに当たり、建物内のどこでも設置していいわけではありません。地下構造物が出来るまでは必要になる物ですので、工事中も支障のない位置に設置する必要があります。柱や梁に当たっていたら盛替え必須になりますので注意してください。

また、排水先がどこか?も関係します。工事には支障はないが、排水先が遠い。又は排水ルートが無いとなると良い計画とはいえません。

RWに関しても建物外ですので埋設物が無いことなどを確認する必要があります。現場には電気、水の引き込みをしている場合もありますので、既存の建物あるならば図面を確認しましょう。

 

2、掘削前に設置する

DWは掘削前に設置しましょう。

掘削後に思ったより水位が高く、慌ててDWを設置しようとしても大変です。DWを設置出来ないことはありませんが、掘削工事が始まっていることもありますが、DWを稼働したところで水位は簡単には下がりません。建物周辺の水も合わせて吸い上げているため水量が半端ではないのです。

私の経験では1日50cm程度しか下がらない時もありましたので、余裕を持って稼働させるのが良いですね。

 

3、掘削~地下躯体構築までは使用する

DWは掘削が完了したからと言ってすぐに解体出来るわけではありません。

耐圧盤を打設するまでか?土圧壁ができるまでか?地下躯体が全部出来るまでか?

どの工程で解体するかは各現場の判断によりますが、万が一大雨が続き水位が上がったら、万が一SMWが決壊したら、、、と考える必要があります。

基本的には地下躯体が出来る。せめて土圧壁が出来るまでは残置しておいた方が無難でしょう。

邪魔ではありますが保険でもあります。

 

4、最後は蓋をする

躯体が出来上がればDWも解体できます。DWの最後は耐圧盤内に収まるように蓋をしてコンクリート打設をします。コンクリート打設をするからと言って最後の仕舞いをおろそかにすると、地中からの水圧が強く、コンクリート打設時に水浸し、コンクリート打設自体できないこともあり得ます。餅は餅屋にまかせるという言葉もありますので最後はきっちりDW業者に蓋をお願いしましょう。

 

余談:RWを使わないDWの稼働は下水道料金がかかる

最後に余談ですが、DWを使用するには下水料金がかかります。

掘削工事中は土工事をしているためかDWの吸い上げた水が汚れています。ノッチタンクを介して下水道に排水したとしても下水処理料金として一か月数十万はかかるでしょう。

怒り
怒り

ただ地面の中にある水を吸い上げているだけなのに下水料金がかかるなんておかしい。下水料金を掛けたくない!!

という方もいらっしゃると思います。そんな時はRWを設置しましょう。

建物外のRWに排水をすれば下水料金はかかりませんし、地盤沈下などの心配も少ないです。

 

しかしながらRWには難点があります。

それは「水位」がなかなか下がらないということです。

先ほどの図ではRWはSMWなどの遮水性のある物を掘削部と挟み込んでいるため、DWで掘削部の水を吸い上げていれば、理屈上は水位が下がるはずなんですが実際は遮水性があるとは言え完璧に塞いでいるわけではなく、あちこちから水が入り込んでいます。また地盤面の遮水性のある土からも入り込んでいるため、水位がなかなか下がりません。

 

RWを使わず下水道に流す方が水位を下げるには簡単です。

現場の工程などの関係もあるので、一概にどれがいいというのは言えませんがそのような問題があるということも覚えておきましょう。

また下水料金の話ですが掘削が終われば泥水が出なくなりますので、雨水として申請することが可能です。下水料金を軽減できることもありますので一度下水道局に相談してみると良い出そう。

 

 

まとめ

DW、RWに付いて分かった
DW、RWの施工手順と注意事項が分かった
下水道料金がかかることが分かった

DW、RWは知らない人から見れば邪魔な鉄管でしかありません。

動かせるものでもないので最初の計画でどこが最後まで邪魔じゃないかをしっかり検討しなくては毛ません。

 

 

今日も一日お疲れ様です。

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